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山﨑雄史基礎教育センター講師が斎藤眞賞を受賞

2022.08.01 TOPICS

 基礎教育センターの山﨑雄史講師が、専門のアメリカ研究の分野で発表した論文「Becoming Internationalist Subjects: The Growth of Multiracial Labor Organizing among Japanese Immigrant Communities in California,1925-1933(国際主義的な主体になる:1925〜1933年のカリフォルニア州日系移民コミュニティにおける多人種の労働組織化)」で、アメリカ学会の斎藤眞賞を受賞しました。

 斎藤眞賞は、アメリカ学会が出版する学術誌『アメリカ研究』と「The Japanese Journal of American Studies (英文ジャーナル)」の直近2年の論文のなかから,若手による優秀な作品を選び授与するものです。

 本論は、1920年代後半から1930年代にかけて、日系移民一世、帰米二世(移民の子供でアメリカ生まれだが、初等教育は日本で受け、その後アメリカに戻った人々を指す)が、カリフォルニア州で人種横断的な労働運動の形成に寄与した歴史を検証するものです。アメリカ市民権の十全たる獲得を到達点とする「Becoming Japanese American」という物語は、資本主義と不可分に発達し制度化された人種差別の廃絶と経済的公正を求める上記の運動を見落としてきました。本論で日系活動家と中国系移民やアフリカ系アメリカ人、ラティーノ、フィリピン系移民などの連帯の試みを検証することで、アメリカ市民ナショナリズムに回収されない国際主義的なアイデンティティの主体的形成に光を当てました。

  • 斎藤眞賞を受ける山﨑雄史基礎教育センター講師(左)
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