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F.E.試験に12人目・13人目の合格者

2022.12.16 受賞・表彰

 米国P.E.(プロフェッショナル・エンジニア)制度の1次試験に相当するF.E. 試験(The Fundamentals of Engineering exam)に、大学院工学研究科博士前期課程2年の中村知裕さんと渡辺素己さんが同時に挑み、合格を果たしました。本学から12人目と13人目の合格者となります。

 本学は、エンジニアの資格制度として国際的に高く評価されているP.E.制度の理念に基づいた「AE(アドバンス・エンジニア)プログラム」を機械学科に設け、幅広い工学分野と実英語力を養う学習を行い、グローバルエンジニアを目指す受験希望学生たちを指導しています。

 「映画『Men In Black』のテーマを,何度も受講仲間と先生の前で歌いました。英語の発音はかなり鍛えられましたね」。

 こう振り返る中村さんと渡辺さんは、学部1年(機械創造工学専攻)からAEプログラムに参加。これまで10人以上の合格者は機械工学専攻出身であり、機械創造工学専攻からのF.E.試験合格は、2人が初めてです。

 F.E.試験は英語で行われ、公式を知っているだけという学習は通用せず、実社会で要求される技術力が幅広く問われます。中村さんは宇宙機システム研究室(渡邉泰秀教授)、渡辺さんは応用数理研究室(中山雄行准教授)に所属し、それぞれ実験や解析の合間を縫ってAEプログラムの勉強に励みました。本プログラムの講義が全て終了した博士前期課程2年の受講生は、引き続き学生たちと主担当教員で自主ゼミを行い、それぞれの不得手な分野をテーマにディスカッションをして真の理解を目指し、各学生の学習の懸案などについて話し合います。F.E. 受験1か月前からは、さらに2人で対面、またはZoomなどを用い、公式の導出や別解、関連事項の紹介など、互いに理解できるまで教え合いました。

 AEプログラムで指導に当たる中山雄行准教授は、「本プログラムはF.E.試験の合格が目標ではありません。国内では通常学ばない分野を含めた幅広い工学全般を、知識ではなく理解すること、国際的かつ異文化と交わるプロジェクトでのビジネスマナーや語学力の修得を目的とし、海外プロジェクトの経験を踏まえた実学的なグローバルエンジニアの育成を目標としています。この中で、将来P.E.の資格を必要とする学生はF.E.試験を受験、合格しています」と話しています。

 中村さんは精密部品メーカー、渡辺さんはインフラ系のグローバル企業への就職が内定し、学んだ知識を来春から社会に役立てます。「しっかり実務経験を積んで、P.E.2次試験を受験する予定です。世界中の人々の暮らしを支えるエンジニアになりたい」と夢を描いています。

  • (左から)渡邉泰秀教授、F.E.試験に合格した中村知裕さんと渡辺素己さん、中山雄行准教授
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