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機能材料研究室の森本楓生さんが日本機械学会若手優秀講演フェロー賞

2024.02.21 受賞・表彰

 大学院工学研究科博士前期課程2年の森本楓生さんが、日本機械学会M&M2023 材料力学カンファレンス(昨年9月27~29日・筑波大学)で行った発表により、26歳未満の大学院生・研究者・技術者が対象となる日本機械学会若手優秀講演フェロー賞を受賞しました。

 機能材料研究室(松井良介機械学科准教授)に所属する森本さんは、「TiNi 形状記憶合金ステントの疲労特性」と題して発表しました。

 機能材料研究室では、TiNi(チタンニッケル)形状記憶合金を使ってステント(血管拡張治療器具)の性能をさらに高めるための研究を行っています。この研究では、形状記憶合金の「超弾性」と呼ばれる、非常に大きく変形させてもばねのように元の形に戻るユニークな性質をステントに応用し、現在は難しい血管の病気の治療を目指しています。

 現在主流になっている形状記憶合金以外の材料で製造されたステントでは、特に細い血管への適用が難しいことが課題になっていました。細い血管に挿入するためにはステントも薄く細くする必要があり、十分な拡張力を発揮できなくなるからです。形状記憶合金は加工が難しい材料として知られていますが、複数のメーカー(※)との共同研究によって、細くても大きな拡張力を発揮できる形状記憶合金ステントを開発するために熱処理や加工の方法などを検討しています。本発表では有限要素解析(シミュレーション)と実験でステントの変形メカニズムを解明した成果を示しました。

(※)クリノ(株)、(株)ジャロック、(株)古河テクノマテリアル

 受賞に当たって、森本さんは「これまでの努力の積み重ねが実を結んだと考えています。この経験をもとに、就職してからも社会の発展に貢献できるように精進して参ります」と喜びを話しています。

  • 賞状を手にする森本楓生さん
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