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計画系研究室チームが歴史的空間再編コンペティションで入選

2023.12.11 受賞・表彰

 全国に存在する歴史的空間を再編しようとする設計作品が対象の「歴史的空間再編コンペティション2023」で、建築学科の計画系研究室(中井孝幸教授)に所属する4年生の1チームが全国入選(10選)したほか、2チームが30選に入りました。

 「学生のまち・金沢」「歴史都市・金沢」に全国の学生が集い、競い合う同コンペは、実行委員会と金沢市が主催し、10月12日の一次審査で上位30選が決まった後、11月18~19日にグランプリ大会が催されました。

 計画系研究室のチームと作品概要は以下の通りです。

■全国入選(10選)

「折節の氷風穴」

山本百香 (愛知県立半田高校出身)・佐藤天哉 (名古屋市立緑高校出身)

 風穴は養蚕業が盛んに行われていた時代に二化性蚕の育成を安定化させ、生糸の品質を向上させて産業を発展させた空間です。しかし、電気冷蔵庫の台頭や蚕の品種改良によりその役目は失われ、近代産業遺産となりました。本提案は、長野県小諸市にあり、時代によりその利用目的を変えてきた氷風穴の熟成効果に着目し、地域で新たにリンゴ酢への加工と熟成保存を行う6次産業化を行ったものです。リンゴの栽培からリンゴ酢への加工、熟成を、4年に1度の修復サイクルをもたせた氷風穴で行うことで、歴史的空間そのものに加え、地域への新規観光客の獲得、周りに自生する貴重な植物の保護、かつての地域の助け合いの文化の再編へとつなぎます。

■30選

「穂の国緑水帯 -水上ビルから波及する新緑空間-」

三木菜羽(愛知県立豊田南高校出身)・名原夕稀(愛知県立旭野高校出身)・後藤晟太(愛知県立豊橋工科高校出身)・林あかり(岐阜県立中津高校出身)・野原舜一朗(愛知県立一宮南高校出身)

 本提案は、ビルの改築により、ヒートアイランド現象への対策と、健全な生態系の確保を目的とするネイチャーポジティブの実現を目指すものです。暗渠であった用水路を開渠とし、緑水帯を形成することで水上ビルを起点とした新たな生態系を構築します。また、ボランティア活動を通して交流空間をつくります。

「88mの余白-藍による分断された水との関わりの再考-」

方山愛梨(岐阜県立大垣西高校出身)・髙橋知来(岐阜県立加茂高校出身)・渡部美咲子(愛媛県立松山東高校出身)

 徳島県美馬市を流れる吉野川の流域沿いでは、河川の洪水被害とともに肥沃な客土が良質な藍の生産を支えてきました。しかし、堤防完成により川と街が分断され、かつての生業風景は失われました。そこで本提案では、分断された川と街を、藍染めと街に残る水害共生エレメントにより再編し、過去と未来をつなぎます。

  • 山本さん(左)と佐藤さん
  • 左から三木さん、名原さん、後藤さん、林さん、野原さん
  • 左から方山さん、髙橋さん、渡部さん
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