学生チャレンジプロジェクト事例紹介
バッテリーカーの製作及び2023Ene-1 KV-40への挑戦
「Ene-1 Challenge」は、充電式単3電池40本のみを動力源にして、どこまでエネルギーマネジメントを追求した走りができるかを競うもので、三重県鈴鹿市の「鈴鹿サーキット」と栃木県茂木市の「モビリティリゾートもてぎ」で開催されます。こちらに車両づくりから参加しているのが「バッテリーカーの製作及び2023Ene-1 KV-40への挑戦」チーム。プロジェクト代表の山田尚幸さんは、製作の指揮をとり、ドライバーとしてもハンドルを握りました。
単3電池のみのエネルギーで走る自作の車両でレースに挑み、2位に入賞。
高校3年のときに「Ene-1」の課題研究をして以来、「大学生になってコロナ禍が終わり、競技が再開されたらやるぞ!」と決めていました。この競技は、充電式単3電池40本のみという限られたエネルギーを使った自作のバッテリーカーで、いかに長く速く走れるかを競うものです。 上位入賞を狙うためには、空気抵抗や転がり摩擦、機械的なエネルギー損失を抑え、モータや電池の電気的な特性を考慮しながら、車両を設計して製作する必要があります。大会は年2回あり、最初の鈴鹿は7月末。春はチャレンジプロジェクトの予算を申請しながら仲間を集め、車両を製作して大会までに完成させるというスケジュールです。 今回の新メンバーは14人で1年生が多く、普通科高校出身者もいるなか、誰にどの部分を任せられるかを見極め、作業を割り振って技術指導するのが難しかったです。僕は2年次にも競技に参加し、ゴール前の3周目で電池切れした経験があるので、反省を活かし、3年次は車両を製作し直しました。アルミフレームを取っ払い、主な材質をカーボンに変更して、36kgから26kgへ軽量化。また、コースの急勾配に対応できるよう、ギアチェンジを可能にしました。 7月の鈴鹿サーキット国際レーシングコースでの大会は、競技前日に、油圧ディスクブレーキの不調が判明して焦りましたが、みんなで修理し、無事に3周を走り抜くことができました。10月には栃木県茂木市での「2023 Ene-1 MOTEGI GP」に初参戦。悪天候により予定のタイムアタックが中止され、作戦を変更。60分間で何周走行できるかの耐久レースで順位を争い、大学・高専・専門学校のクラスで2位に入賞することができました。 今後は両大会でのクラス優勝をめざし、将来電気自動車や電力エネルギーの分野で活躍できる人材を生むチームをつくり上げていきたいです。