カリキュラム紹介
材料化学の基礎分野と各材料分野の学際的連携により、有機的に機能し独創的な成果が得られるように指導しています。
PICK UP 講義
【1年】材料基礎化学、材料設計化学、無機材料化学、有機材料化学の4分野の基礎から応用を学びます
分析・計測がサイエンスに占める役割について理解します。特に、材料化学基礎論Ⅱにおいては、材料開発の観点から、まず、物質の構造について概観し、その後、電磁波や粒子線の性質を、そしてさらに、それら電磁波や粒子線が物質とどのように相互作用するのか、そして相互作用をいかに検出し物質の構造を抽出するのか、化学の最も基本的な計測について理解することが大きな目標となります。特に、電磁波の散乱と吸収、粒子線の散乱、そして計測における分光学の意味、などについて、単結晶X線解析、粉末X線解析、低角X線回折、XPS、XMA、TEM、SEM、AFMなどの学習を通じて学び、最後に、最近の材料開発における実例を紹介し、これら計測が有する様々な意味合いを理解してもらいます。
近年、分析化学技術は飛躍的に発展しています。環境中低濃度化学物質の評価の要請や新素材の開発に伴い、元素、イオン、分子の求められる検出下限はppb、sub-ppbにまで下がり、しかも信頼性が高く求められています。そこで、最新の分析化学反応を忠実に解釈し、最先端分析機器測定の種々の前処理技術について学びます。
生物化学工学(バイオケミカルエンジニアリング)とは、生物の持つ遺伝、増殖、物質代謝などの機能を産業社会に利用しようとする生物利用工学のことです。近年では、遺伝子工学、細胞融合、バイオリアクター技術が次々と開発され、我々の生活に欠かせない技術の一つとなっています。生物化学工学特論では、バイオ分子を材料の一部と捉え、その特徴を活用した新しい材料創製についてご紹介します。
【2年】最新鋭の研究・実験設備を駆使し、徹底したマンツーマン教育で幅広い知識・技術を身につけます
リチウム一次・二次電池の電極材料には層状構造を有する黒鉛層間化合物が利用されています。エネルギー材料化学特論Iではまず黒鉛層間化合物の種類、合成、構造、物性について解説します。さらにフッ素化学と気相法(CVD、PVD)の基礎について述べ、フッ素化反応、気相蒸着法(CVD)を利用したリチウム電池電極材料の高機能化、有機溶媒の不燃化などのトピックスについて講義します。
有用生理活性物質を合成する上で必要となる合成単位操作を「炭素-炭素結合形成」、「酸化・還元」、「官能基変換」に分類し、特に高度な立体・位置・官能基選択性、反応性、生産性を発現する反応を取り上げ、その要因を立体的・電子的・軌道的観点からご説明します。
無機固体材料は、環境、エネルギー、バイオ、半導体、IT、エレクトロニクス、ナノテクノロジーなど各分野で不可欠な素材です。現代社会を支えるこれら材料の創製と発展は、プロセッシング研究の基礎に立っています。無機化合物の中でも特に重要なセラミックスについて、そのプロセッシングと反応、及び機能とその応用分野を関連させながらご説明します。