8月24~25日、国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)横須賀本部で開催された国内最高レベルの水中ロボット競技会「水中ロボットコンベンション in JAMSTEC 2024」に、本学の学生チャレンジプロジェクト「海洋探査ロボットプロジェクト」から5チームが参加し、2部門準優勝などの成績を収めました。

【成績】
■AIチャレンジ部門 準優勝 「RETURN ZERO」
知的計測制御研究室(古橋秀夫電気学科教授) 大学院博士前期課程1年・大木貴生、学部4年・高野天地
■フリー部門3位 「UCD水中ラボ Crux(クラックス)」
知能集積システム研究室(内田敬久機械学科教授) 大学院博士前期課程1年・丸山裕介
■ビデオ部門 準優勝  「Uria」
同研究室 大学院博士前期課程1年・志水晴彦、学部4年・加藤優奈

 同コンベンションには、機械学科と電気学科の学部生・院生たちによる学生チャレンジプロジェクト「B.U.V(生体模倣水中ロボット)プロジェクト」(指導教員・内田敬久機械学科教授)が参加を続けており、優勝などの成績を収めた2020年大会以来、4年連続での成果となりました。古橋秀夫教授は、水中ロボットコンベンション in JAMSTECの運営委員としても参加しています。

 水中ロボットの知能化を競うAIチャレンジ部門準優勝の「RETURN ZERO」は、一辺約500mmの自律移動型水中ロボット(AUV)です。3DカメラやRGBカメラ、深度センサ、IMUなどのセンサデータをもとに、周りの状況を確認しながら動きを自分で考え動作を行います。競技では水中にある目標物をロボットが認識し、プログラムされた動作を行いました。昨年末には内閣府により「AUVの社会実装に向けた戦略」が策定され、見学に訪れた政府関係者からも注目されていました。

20240903-01-02.jpgAIチャレンジ部門準優勝の「RETURN ZERO」

 技術内容やオリジナリティを競うフリー部門で3位の水中探査ロボット「Crux」は、円筒形の胴体の左右にそれぞれ可動するスラスターが搭載されています。ロボットの最大の特徴は、両翼に取りつけられたチルトスラスターであり、出力と方向を変更して推進方向や姿勢を制御することができます。これにより、2つのスラスターのみでの動作を実現し、スラスターを最小限の構成数に抑えつつ高い機動力を有しています。また、構成数の少なさにより、軽量かつコンパクトなロボットを実現しました。

20240903-01-03.jpgフリー部門で3位の水中探査ロボット「Crux」

 遠方に居住するなど、現地参加が困難なチームのためのビデオ部門で準優勝した「Uria」は、ウミガラスの骨格を参考に設計した生態模倣水中ロボットです。ロボット左右には、ウミガラスの遊泳動作を再現するために肩に該当するyaw軸、roll軸、pitch軸の3自由度を与えた関節と、手首に該当するpitch軸の1自由度を与えた関節を搭載しました。また方向転換に用いる尾と首の関節には、yaw軸とpitch軸の2自由度を与えました。ロボットに搭載したJetson nanoにより動作を制御し、有線ケーブルで操縦者側のPCと接続し遠隔で操作します。

20240903-01-04.pngビデオ部門で準優勝した「Uria」