2025年3月13日(木)から15日(土)にかけて立命館大学大阪いばらきキャンパスで開催された「情報処理学会 第87回全国大会」において、情報科学科 行動情報科学研究室(梶 克彦教授)に所属する学生3名が、学生奨励賞を受賞しました。

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多田 さん():フライパンを持ちモーションキャプチャデバイスを身に着けています
柴田 さん(中央)MRゴーグルを装着しています
戸川 さん():自作のBLEビーコンデバイスを抱えています 

受賞学生と研究の概要は以下の通りです。

■多田隆人さん(コンピュータシステム専攻3年・受賞当時2年)

「モーションキャプチャで得られる3次元の骨格情報を用いた調理行動の分類に関する基礎検討」

チャーハンの調理中の動作をモーションキャプチャで取得し、得られた骨格情報をもとに機械学習を用いて「卵を割っている」「炒めている」などの行動を分類を行う手法に関して発表を行いました。また行動分類の精度向上において、レシピのような手順書の行動間の順序や調理者の位置情報を用いると行動の絞り込みが可能であり有用であると分かりました。

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受賞コメント:学部2年で学会発表を行うことができたのは貴重な経験でした。また、他大学の方々の質疑応答や発表を通してより深く研究を理解することができました。

■柴田青賢さん(コンピュータシステム専攻3年・受賞当時2年)

「複数のMRコンテンツを統一的に利用できるMRアプリの基礎検討」

現実空間とコンピュータ空間の間には大きな壁があります。現実の世界のものを見るのと同じように、コンピュータの中にある仮想的なコンテンツが閲覧できると、コンピュータの中の世界が現実にとても近いものになります。今回の発表では、特定の形式に従ってインターネット上に公開されたコンテンツであれば、誰が公開したのかに関わらず、今自分が近くにいる場所の近くにあるコンテンツを現実の特定の場所に紐づく形で同時に閲覧ができるアプリについて検討を行い、実際の動作を確認しました。

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受賞コメント:大学に入学したときから目的としていた、現実空間に紐づけられたコンピュータの中に存在する仮想的なコンテンツを現実でより扱いやすいものにするアプリが形になったので嬉しく思っています。今後も現実空間と相互に影響するコンピューティングについて探求していきたいです。

■戸川浩汰さん(経営情報科学研究科博士前期課程経営情報システム専攻2年・受賞当時1年)

「滞在推定システムにおけるプライバシを考慮した携帯型BLEビーコンの基礎検討」

近年、GPSの利用が困難な屋内での位置推定手法として、ユーザが携帯するBLEビーコンの電波を部屋に設置した受信機で検出する方式が広がっています。この手法は企業の勤怠管理システムや研究室の在室管理システムなどで広く利用されています。しかしこの手法には発信される識別子を用いて第三者によるトラッキングできてしまう問題があります。本研究ではハッシュ計算を用いた識別子の定期的な更新により,第三者からのトラッキングを防ぎ特定のシステムのみが識別可能な携帯型BLEビーコンを設計しプロトタイプを制作しました。

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受賞コメント:自分のやりたい研究テーマをかなり自由に楽しくやらせてもらっている中で、奨励賞もいただけ研究に対するさらなるモチベーションとなりました。今後は試作したBLEビーコンを本格的に製作し新たな携帯型BLEビーコンの標準となるよう、さらなる研究に取り組んでいきます。