受賞者
渡邊彩夏さん
工学研究科 博士後期課程 生産・建設工学専攻 2020年3月単位取得満期退学

指導教員
知能機械システム工学研究室(奥川雅之 機械学科教授)

学会名
21回竸基弘賞

受賞名
技術業績賞

受賞日
2026年1月10日

受賞テーマ
高温環境に対応した監視点検用クローラロボットARTHURの消防応用

業績概要
高温環境下でロボットを利活用するため、要求される耐熱性能に対し、軽量かつ高温環境に対応可能な「耐熱ボックス」を独自技術として開発した。本技術は低コストでの実現を目指し、表面処理や空気層を利用した断熱構造とし、一般的には断熱材として使用しない安価な素材を用いて、雰囲気温度80°Cの環境で30分間の耐熱性を実験的に確認した。さらに、これまでの開発で培ってきた完全防水駆動機構技術を活かし、耐熱ボックスを洗浄可能とすることでロボット全体の耐水性を実現し、消火時の散水やNBC災害時の除染にも対応できる。これらを評価され、豊田市消防本部への導入が決定した。導入にあたり、消防隊員が現在使用している携帯用測定器の搭載、ロボットの起動時間短縮や軽量化による可搬性の向上を実現し、より迅速な火災現場での稼働を可能とした。これらのロボット技術を活用し、さらなるロボットの社会実装の実現に貢献している。

今後の展望
受賞者の業績は、現在、消防隊員が行っている低層大規模工場などの火災現場や震災などの災害現場において初動調査や要救助者の捜索活動に対してロボットでの代行が可能となり、消防隊員の安全確保を実現するとともに、製鉄所のような高温環境プラントにおいても作業員の安全性確保、作業環境改善への展開が検討されている。これらの経験や知見は、調査点検ロボットの日常利用と災害時利用に対するフェーズフリーな技術であり、当該分野への社会実装に大きく貢献することが期待される。

参考URL
https://www.rescuesystem.org/wp-content/uploads/pdf/2025kisoi21_Program.pdf