応用化学科の森田靖教授および村田剛志教授の研究グループは、国内の複数の大学・研究機関と共同で、抗ウイルス薬「ファビピラビル(市販名アビガン)」がヒトの体内でどのように働くのかを明らかにしました。

2020年からの新型コロナウイルスが猛威をふるっていた時期に、低分子量のπ電子系有機分子であるファビピラビルがその特効薬になる可能性が示唆されていました。そこで森田・村田両教授は、生体内におけるその作用機序に興味を持ち、ファビピラビルをいち早く入手し量子物理学者や生化学者との共同研究を開始しました。本研究では、富士フイルム富山化学株式会社が開発した抗ウイルス薬ファビピラビルが、ヒト体内に存在する酵素であるヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)によって代謝され、抗ウイルス効果を発揮する活性型へと変換される過程を、核磁気共鳴(NMR)分光法を用いてリアルタイムに観測する手法を確立しました。さらに、計算科学的手法を組み合わせた解析により、HGPRTがファビピラビルを活性化する分子機序の一端を明らかにしています。今後は、本手法の中心的実験法であるNMRに「超偏極」量子技術を導入し、さらなる超高感度化したNMR実験法開発へと発展させていきます。

本研究成果については、本学を含む研究グループよりプレスリリースを行いました。詳細は、下記のプレスリリース(PDF)をご覧ください。

なお、本研究成果は、2026211日付で著名な国際学術誌「Scientific Reports」に掲載されました。

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