2月26日に開催された日本設備管理学会東海支部の令和4年度学生研究発表会で、「特許をベースとする大規模言語モデルを用いた技術マッチング」のテーマで発表した経営学科の平野貴大さん(2年)が最優秀研究発表賞を受賞しました。最優秀研究発表賞は全ての研究発表で一番優れた発表に贈られる賞となります。また、支部長賞を「衛星データを利用した農業・製造業分野の生産量推定」について発表を行った経営学科の稲垣真穂さん(2年)が受賞しました。研究室配属前の2年生での学会賞受賞は異例です。

 二人は経営学部の野中尋史教授の指導のもとで研究を行いました。二人の研究は野中教授と研究室メンバーで立ち上げた愛知工業大学発スタートアップである株式会社フリーヒルズラボでのサービス開発とも関連します。二人が取り組んでいる研究の概要と、受賞に寄せたコメントは以下の通りです。

▽最優秀研究発表賞
平野貴大「特許をベースとする大規模言語モデルを用いた技術マッチング」

■研究概要
特許技術を掛け合わせ、新しい研究開発のアイデアを創造することは、研究開発や企業連携において重要です。本研究は、生成AIによる「特許技術の融合」を安全に行うための評価手法の開発に焦点を当てたものです。生成AIには、事実と異なる情報や根拠のない内容をもっともらしく生成する(ハルシネーション)という課題があり、特に厳密さが求められる特許分野ではこれが致命的なリスクとなります。
平野さんは、生成されたアイデアが「元になった特許文書に存在する用語にどれだけ基づいているか」を独自の指標で数値化しました。さらに実験の結果、一般にアイデアの質が向上するとされている「AIに批判的な評価をさせる」手法を用いると、かえって原文にない架空の数値を捏造しやすくなるという「見落とされがちなリスク」を明らかにしました。

■受賞コメント
私はフリーヒルズラボで生成AIを用いたサービス開発に携わっていますが、その中でAIのハルシネーションを数え切れないほど目撃してきました。サービスを社会実装するにあたり、事実に基づかないでたらめな内容を生成するAIを世に出すわけにはいきません。この強い問題意識が研究テーマに直結し、研究デザインから発表まで、最後まで熱意を持って取り組むことができました。
今後は、今回開発した評価手法を日々の開発に取り入れ、サービスの更なる安全性向上と改善に繋げていきたいと考えています。

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最優秀研究発表賞を受賞した平野さん

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研究概要図

▽支部長賞
稲垣真穂「衛星データを利用した農業・製造業分野の生産量推定」

■研究概要
オープンな衛星データである「Sentinel」を活用し、農業の収穫量と製造業の生産活動をリアルタイムで推定する手法の提案です。従来の光学画像に加え、雲を透過するレーダー波(SAR)を融合させることで、天候に左右されない高精度な分析を実現しました。特に製造業においては工場の駐車場密度と自動車販売台数に強い相関があることを実証し、公的統計に代わる「オルタナティブ・データ」としての有用性を示しました。また、農業分野においてもマルチセンシングを利用することで生産量推定が可能であることを示しました。

■受賞コメント
衛星データからの生産量推定という最先端の研究テーマに取り組むことができ勉強になりました。研究は道半ばですが、今後の見通しも開けているので、一層努力して実用化につなげていきたいと思います。

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支部長賞を受賞した稲垣さん

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研究概要図