202694日(金)、岐阜大学で開催された「第74回年次大会・工学教育研究講演会」において、本学エクステンションセンター長で工学部建築学科の野澤英希教授が、「地域の未来を切り拓く工学教育~愛知工業大学エクステンションセンターによる早期アプローチの取組~」と題して講演を行いました。

講演では、エクステンションセンターが25年以上にわたり推進してきた地域連携活動と、次世代を担う子供たちへの工学教育の実践について紹介しました。

ものづくり体験の減少と実体験の重要性
野澤教授は、近年のデジタル化の進展などにより、子供たちが日常生活の中で自らの手を動かし、ものづくりを体験する機会が減少している現状を指摘しました。高校生を対象とした体験授業において、理系進学を志望する生徒であっても、ニッパーなどの工具の扱いや設計図の読み取りに戸惑う事例を挙げ、文理選択前の早い段階から「ものづくりの実体験」を積み重ねることの重要性を強調しました。

人と地球に優しい「血の通ったエンジニア」の育成
また、本学が掲げる、人と地球に優しい「血の通ったエンジニア」の育成という教育理念に触れ、技術の高度化だけでなく、社会や環境への影響を考えながら主体的に行動できる、豊かな人間性を備えた技術者の育成を目指していることを紹介しました。そのためには、実際に手を動かし、試行錯誤や失敗を経験しながら学ぶ「実学教育」が不可欠であると説明しました。

自治体と連携した次世代への早期アプローチ
さらに、自治体と連携した早期アプローチの事例として、次の2つの取組を紹介しました。

みよし市との協働
カーボンニュートラルなどの現代社会の課題をテーマに、小学生が風力発電や太陽光発電の仕組みを工作や実験を通して学ぶ体験型講座を実施しています。自らの手で作ったものが実際に動く体験を通して、環境問題への主体的な学びと探究心を育む取組です。

瀬戸市との連携「サイエンスガールガイドツアー」
女子中学生を対象に、本学で学ぶ女子学生が身近なロールモデルとして交流し、工学分野の魅力や大学での学びについて伝えています。女子学生の生の声に触れることで工学への心理的なハードルを下げ、理工系分野に興味を持つきっかけを提供しています。

地域とともに未来を支える人材を育成
講演の結びに野澤教授は、工学への関心やものづくりの楽しさを早い段階で体験する機会を地域社会とともに創出することが、地域の未来を支える人材の育成につながると総括しました。

本学は今後も、地域の皆様から「愛知工業大学がここにあって良かった」と感じていただける存在を目指し、自治体をはじめとする地域社会との連携を深めながら、次世代を担う人材の育成と地域貢献活動を推進してまいります。

(参考)
地域連携・SDGs推進本部
エクステンションセンター

講演する野澤英希教授
講演する野澤英希教授
会場の様子
会場の様子