建築業界における課題をデジタル技術で解決したい。
「デジタルツイン・コンクリート工事管理システム」の研究をしています。準天頂衛星のみちびきを利用し、工事を行う位置をコンクリート打込み作業者が装着する受信機で測位。コンクリートポンプに設置したセンサが算出する打込み量と位置データを組み合わせて、現実の状態に近い工事進行を3次元で可視化します。作業者の高齢化や人手不足の課題解決をめざしています。
専門分野は、建築材料や建築施工。研究職として勤務していた建設会社での経験を活かし、デジタルツールの開発にも勤しんでいる。
失われつつある文化財を調査し、価値ある建築を後世に伝承。
文化財に関する建築の調査・研究を行っています。愛知県内の寺院や古い町並みは、今後さまざまな要因で失われていく可能性があります。そんな建築に対し、文化財として評価する機会があれば、それに関わり、文化的な価値を伝えていく活動を行っています。文化財を保存し、後世に伝えていくためにも重要な活動だと考えています。
ライフワークとして、インド建築を中心とした南アジアの建築を専門に研究。日本建築のルーツをたどる途方もない旅だ。
大型実験設備を活用し、地震に強い建物を追究。
鉄骨構造を対象に、より地震に強い建物づくりへの貢献をめざした研究に取り組んでいます。たとえば近年は、地震のエネルギーを吸収して建物の安全・安心を守る「制震部材」の開発を、企業と共同で推進。愛工大が有する全国有数の設備を活用した大がかりな実験と、コンピュータによる解析、双方を行えることが私たちの強みです。
専門分野は、鉄骨構造、構造力学。建設会社、鉄鋼メーカー、電力会社などとの共同研究を実施し、学生もそこに参加している。
非破壊による検査方法の確立を目的とした、環境負荷低減型技術の研究に取り組む。
コンクリート構造物の耐震性などを検査・評価するため、非破壊による試験方法(空中超音波法)を研究しています。この技術が確立できれば、コンクリート構造物を壊すことなく検査ができるようになり、環境負荷の低減にもつながります。検査機器メーカーや学協会とコラボレーションすることで、検査方法の標準化をめざしています。
専門分野は、コンクリート工学、建築構造材料学など。関係学会や協会とのパイプも太く、講演会などの活動も積極的だ。
空き家や廃校を活用し、地域活性化につなげることをめざして。
地方の過疎化や都心の空洞化により、空き家や廃校など多くの「建築ストック」が発生しています。これらの課題に対し、たとえば廃校を老人ホームに改装して活用するなど、建築や都市計画の知見によって解決に貢献できることがあります。当研究室では設計実務と研究の両視点から、地域活性化に貢献できるノウハウの蓄積を進めています。
専門分野は、建築計画、地域計画、建築ストック活用、まちづくり(地域再生)。豊田市建築審査会会長なども務める。
折紙工学を使い、誰も見たことがない造形原理とデザインを発見し未来に残す。
折紙工学を発展させ、1枚の板材から驚きと美しさを併せもつ3次元立体をつくる研究を行っています。私が開発した回転建立方式(RES)は、国内外から反響を得て、各国の展示会に招待され、商品化もされました。将来的には、現実の建築物として実現すると確信しています。未知なる造形を創造し、未来の人々と共有することが目標です。
専門分野は、建築設計。座右の銘は「美は素材の制約との葛藤から生まれる(アンリ・マティス)」。
住宅・建築の省エネルギー化に向け、建築と気象の関係性の解明に挑戦。
現代は、省エネを考慮せずには建築物を建てることが難しい時代。私たちは、建築物の熱環境シミュレーションのための気象要素のモデル化に取り組み、建築内部の環境設計を適切に行うための研究をしています。国内外の研究機関と協力し、建築気象データの測定・整備も実施。省エネニーズの高い東南アジアの環境問題にも役立つ研究です。
専門分野は、建築気象・熱環境。環境意識の高い、自分で物事を考える学生の育成が目標のひとつ。
地震国日本の住宅を、免震という高度な技術で守る。
東日本大震災以降、より一層「地震に強い家」が求められるようになり、耐震・制震・免震という建築技術が広く一般に知られるようになりました。
この3つは似た技術に見えますが、地震に対するアプローチはまるで違います。耐震とは、壁や柱を強化したり補強材を入れることで建物自体を堅くして地震に耐える構造。制震は、建物内にダンパーと呼ばれる振動軽減装置を設置し、地震のエネルギーを吸収する構造。一方免震は、建物と地面の間に免震装置を設置し、建物を地面から離して振動を伝えない構造です。このうち、最近注目を集めているのが免震工法。リニューアルした東京駅丸の内駅舎にも採用され、大きな話題となりました。そして当研究室が取り組んでいるのも、この免震構造。なかでも木造戸建住宅を対象にした免震構造システムの研究開発に力を入れています。
免震構造が優れているのは、基礎部分に埋め込まれた免震装置が地震エネルギーを吸収し、建物内の家具の転倒などを最小限に食い止める点にあります。
しかし、技術的に適用が難しい建物もあり、適用範囲を拡大することが課題となっています。
また、コストが高い、技術者が不足しているなどの問題から、免震構造の普及がなかなか進まないという現実も存在します。研究室では、企業や他大学とも連携しながら免震構造システム全体と、免震装置に使われる積層ゴムの開発にも取り組み、コストカットや耐久性の向上をめざしています。理論研究だけでなく、実験研究にも力を入れられるのは、愛工大に先進の実験設備があるからこそ。
これによって、基礎的な研究から実用化を視野に入れた研究まで、幅広いテーマに取り組むことが可能となっています。
時代とともに失われていくような過去の優れた建築を実地記録して、評価し、その文化的価値を後世に伝えることを主な研究目的とする研究室である。
既存RC建物の長寿命化を含めた環境負荷低減型の構造材料・工法の開発、非破壊試験方法の開発を含む信頼性の高い建築物を構築するための施工管理技術に関わる研究を行っている。
大規模コンクリート造建物の耐震構造デザイン、家具の地震対策を含む住宅構造デザイン、大規模木造建物の構造・居住性能デザイン、シックハウス対策・環境負荷低減を考えた材料・工法の開発など、実務に関わる研究に取り組んでいる。
住宅、商業施設における設計デザインの研究を通じて、実務に直結し即戦力として社会に貢献できる人材を育てるべく研究・教育を行っている。
社会貢献事業の経験を通じて、人が暮らしに何を求めているのかを知り、将来に向けた住環境デザインの最適性について提案できる力を養う。
社寺・民家・町並・書院・城・茶室などの日本建築、教会・宮殿・寺廟・住宅などのヨーロッパ・アジアの建築の調査研究、行政と協力して県史・市史・報告書などの刊行を行っている。
少子高齢化、地方の過疎化、都心の空洞化などよって発生する建築ストックを、リノベーション・コンバージョン等の方法で活用し、ストック型社会に転換する研究を行っている。
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