設備 バイオ環境化学専攻
設備紹介(一例)
共焦点レーザー顕微鏡
より精度・解像度が高く観察できる高性能顕微鏡です。
細胞の二次元画像から三次元画像を構築でき、創薬の機能解析などが可能です。
ケミルミ撮影装置
ウェスタンによる化学発光やゲルの蛍光撮影が可能です。
タンパクや核酸の検出を行うことができます。
微量分光高度計
DNAやRNAなど、微量なサンプル(1-2μL)からでも濃度測定ができます。
リアルタイムPCR
目的のDNAだけを増やして解析できる装置です。
遺伝子レベルでの評価が可能です。
ICP-MS装置
ICP-MSはInductively Coupled Plasma Mass Spectrometry(誘導結合プラズマ質量分析)の略です。原子吸光分光光度計、ICP発光分光光度計と並ぶ代表的な無機元素分析装置の一つであり、最大の特徴は、多くの元素に対してpptレベル(1ppt:1兆分の1/東京ドーム1杯分の水中に溶けた角砂糖1個に相当する量)の超高感度分析が可能な点です。半導体材料や化学薬品の純度検定、様々な環境水の水質分析、さらには生体内元素のスクリーニングなど用途は多岐にわたっています。
MALDI-TOF質量分析装置(AXIMA® Assurance 株式会社島津製作所製)
MALDI-TOFはMatrix Assisted Laser Desorption Ionization、Time of Flightの略で、前者がイオン化方法、後者が検出方法を表します。2002年度のノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏(株式会社島津製作所)が開発した装置です。MALDI法は、代表的なソフトイオン化法で、従来のイオン化法(EI、CIなど)では壊れやすかった生体高分子(タンパク質、ペプチド、多糖など)のイオン化に適しています。またTOF法は、装置の超高真空中を試料がイオン化部から、検出器までを定速飛行する時間により検出する方法です。軽い低分子は速く、重い高分子は遅く届き、原理的には非常に大きい高分子量まで計測が可能です。生体高分子だけでなく、合成高分子や、金属錯体、多糖や核酸誘導体研究にも使えます。短時間で容易に測定できるので、生成物の確認だけでなく、反応の追跡にも使用することがあります。
QCM分子間相互作用測定装置(AFFINIXQN イニシアム社製)
本装置は水晶をある結晶方向に沿って金電極を取り付け、それぞれの電極に発振回路などを使用して交流電場を印加して水晶を振動させることで、微細な重量変化を振動数変化で検出します。金基板を表面に持つ水晶発振子チップに吸着する物質量が増加すると周波数が減少し、付着物質量が減少すると周波数が増加します。この現象を利用して分子間の相互作用を測定します。水中におけるタンパク質や核酸などの生体材料の相互作用から、酵素反応や洗剤の能力検査、空気中でのガスの吸脱着などをサブナノgの高精度で、リアルタイムでモニターできます。長所は検出するためのプローブが無くてもよい点で、短所は、相互作用する2者の片方をチップ上の金基板に固定する必要がある点です。
蛍光顕微鏡(IX71 オリンパス社製)
倒立型リサーチ顕微鏡IX71は、コンパクトで、優れた光学性能と拡張性を持つシステム顕微鏡です。ハロゲンランプを使用した、微分干渉顕微鏡とキセノンランプを使用した蛍光顕微鏡として使用できます。バイオの細胞、組織の観察から、生体関連化学、高分子化学におけるμmサイズのゲルやベシクルを水中で観察できます。DP72デジタルカメラを装備しています。超高真空中で観察する電子顕微鏡とは異なり、溶液中観察が可能です。また試料を蛍光物質でラベル化することで、蛍光顕微鏡により分布状態が分かります。
蛍光分光光度計(RF-5300PC 株式会社島津製作所製)
分子に光を照射すると、光を吸収したのちそのエネルギーを光として放出します。これを蛍光と呼び、この光のスペクトルと強度を測定することにより、試料の性質と濃度を調べることができます。蛍光分析法の特徴は、蛍光を出す分子種が比較的限られていることから目的とする成分を選択的に検出することができることです。また、吸光分析法に比べて高感度なので試料が低濃度でも測定が可能です。
HPLC液体クロマトグラフ分析装置(LC-2010CHT 株式会社島津製作所製)
この液クロは、脱気ユニット、低圧グラジエントユニット、ポンプユニット、ミキサ、オートサンプラ、カラムオーブン、UV-VIS検出器で構成された一体型です。高速試料注入及び多検体処理が可能で、分析や管理に必要な作業を自動化することができます。示差屈折検出器(RI検出器)が無いので、使用する試料は、紫外部(254nm)に吸収を持つ必要があります。
冷却遠心機
ローターに試料を設置し、それを冷却しながら高速回転させることで試料の遠心分離を行う装置です。ローターの種類により、1.5 mL/2.0 mLマイクロチューブ、15 mL/50 mL遠沈管、96ウェルマイクロタイタープレートを遠心分離することができます。最大回転数は15,000rpmまで可能です。
化学発光検出装置
高感度・高解像度の化学発光検出装置です。専用ソフトで画像データの解析を行うことも可能です。ウエスタンブロッティングなどの化学発光の検出に用いられます。
マイクロプレートリーダー
96ウェルマイクロタイタープレートの各ウェル内の試料の吸光度を数秒程度で測定可能な装置です。酵素反応の測定、細菌の増殖の測定などに用いることができます。
サーマルサイクラー
PCR法によるDNA増幅に用いる装置です。精密な温度調整が可能です。温度調整のグラジエント機能を備えていることから、PCR条件を最適化するための条件検討を容易に行うことができます。
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