材料化学専攻 博士前期課程

材料化学専攻
技術革新の中で求められる
新素材開発の基礎を形成する
急速な技術革新の流れの中で、先端材料に関わる分野は特に重要であり、そのニーズは多岐にわたり、その先端技術に応える多くの新素材開発のためにシーズが強く求められています。これらの社会的趨勢を踏まえて、その基礎を形成する6つの大講座、「エネルギー材料化学」、「無機材料化学」、「有機材料化学」、「バイオ材料設計・合成化学」、「計測材料設計化学」、「有機材料設計・合成化学」が設置されています。
本専攻では、研究の第一線で活躍している教授陣の直接指導のもと最新鋭の研究・実験設備を駆使し、徹底したマンツーマン教育で材料化学に関する専門知識、問題解決能力、プレゼンテーション能力、コミュニケーション能力を身につけ、自立して最先端の材料化学に関する研究や開発を担うことができる高度専門技術者の育成を目指しています。

大講座について

エネルギー材料化学
「エネルギー材料化学」大講座では、リチウムイオン電池、燃料電池や電気化学キャパシタなどの化学エネルギー変換・貯蔵材料に関する研究を行っています。環境・資源保護の観点から、これらエネルギーデバイスの重要性はかつてなく高まっており、高性能なエネルギー材料の開発は最重要研究課題の一つに位置づけられます。本講座では気相蒸着法(CVD)を利用して、リチウムイオン電池の炭素負極、酸化物負極の高性能化に関する研究、電気エネルギーの急速充放電が可能な電気化学キャパシタの電極材料の研究、燃料電池などで用いられる水素を安全により多く貯蔵できる材料の研究、水素から効率的に電気エネルギーを取り出す触媒材料の研究などを行っています。
無機材料化学
我々の生活を豊かにしてくれる先端技術を、様々な材料が担っています。自動車を例に挙げれば、各種センサやエンジン部品、排ガス浄化システム、 電子デバイスなどにファインセラミックスが用いられています。無機材料化学講座ではセラミックスを中心とする無機物質を対象として、新しい優れた機能を持ち、しかも人類や地球の未来に役立つ「材料」へ、物質を様々にデザインし変換する新しいプロセスの開発に取り組み、また、同時に高機能な新しい材料を設計し創製することを目的としています。
有機材料化学
有機材料は、私たちの生活を支える最も重要な素材です。その中で、高分子化合物をベースとして他の材料と複合化したものの高次構造制御を行うことによって、高性能化だけでなく、種々の機能、例えば生体適合性、刺激応答性、導電性、環境適合性などを兼ね備えた先端材料がつくられています。色々な素材の組合せによって、より高性能・高機能な新しい複合材料を創製するための分子設計とその解析に関する研究や教育を行います。
バイオ材料設計・合成化学
有機化学、無機化学、生物化学を基盤に生命現象の仕組みや生物機能発現メカニズムを解明し、最終的には生命現象にインスパイアした機能性バイオ材料や新薬を開発することを目的とした研究と教育を行っています。具体的には、窒素からアンモニアや炭素・窒素結合を有する化合物を合成する人工金属酵素や、リポソーム膜間トランスポーターの開発研究を行っています。また、核酸関連化合物誘導体のもつ作用機構を解析し、医薬品としての応用を目指しています。
計測材料設計化学
「計測する」(はかる)という行為とその測定値の評価は、我々の生命・安全・財産を守ることに直結しています。例えば、尿や血液検査の結果により患者の治療方針が定まり、環境汚染物質の分析値から行政上の重要な決定が下されます。また、レアメタルの純度により価格が大きく左右されます。これらの重要な生命保護・環境保全における課題を解決するため、新しい生命・環境分析化学の知見に基づいた新規分析法に関する教育・研究を行います。
有機材料設計・合成化学
望む物質を自由自在に設計・合成できる有機化学は、化学の中心的な役割を担っています。我々は、有機分子個々の電子的及び構造的特徴に焦点を当て、有機電子論や分子軌道論に立脚し量子化学計算手法を多用した分子個々のレベルから分子設計を行い、有機化学者だけが持つ精密合成手法を活用することで、目的とする分子や高分子を選択的かつ効率的に合成します。さらに、分子間で働く非共有結合性相互作用を加味した分子設計を行うことで、特異な電子/電気/光/磁気物性、構造特性などを有する有機機能性材料を創成します。本講座では、このような基礎学術に立脚した材料設計とその精密合成のための教育と研究を実施しています。

材料化学専攻の内容

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